はじめに

 これは、(1)原典を読みながら、(2)ラテン語のあらましを知ってもらい、(3)さらにスヴェーデンボリの神学思想についても考えてもらう、ための「講座」である。

 (1)原典については、「直截明快に書かれているな、原典って意外とわかりやすいな」と感じてもらえればよい。口で言うより、それを実感してもらいたい。
 (2)ラテン語については、初心者でも付いてこれるように述べつもりである。しかし、英文法などの初歩的な知識は仮定している。ある程度のラテン語の知識を持っている人でも、基本事項の復習のようなつもりになってもらえればよいし、私のような語学の素人の述べることから、新たな視点を与えられるかもしれない。
 (3)神学思想については、いっしょに学んでいきたい。ここで述べることは「私の把握したもの・感想など」であり、新教会の教義の本流からはずれるかもしれない。すなわち、私の言うことが「規範」ではないが、何かを考えるきっかけになろう。いっしょに学ぶとは、いっしょに「考えること」である。

 なおこの「講座」の進め方は、伝統的文法体系の順序をはなから無視している。文法的に問題となるところは、取り上げたり、省略したり、適当である。ご了解いただきたい。あくまでも「読解」に主眼を置いた。

 さて、もうひとつおことわりしておく。私は根が雑談好きだから、どうしても話はわき道にそれる。でも、それでいいんじゃないか。どだいラテン語をやってみようなんて人はある程度「浮世離れ」している。「効率よく学ぼう」という考えは捨ててもらいたい。そのかわり「おもしろくしたい」と願っている。

 ラテン語という「高尚な散歩」をするんなら、低俗なわき道(この講座のこと)で、道草を食うこともあってよいだろう。まともな大通りを進むよりも、横丁におもしろい発見があるかもしれない。

 さらに講座では、「どのように訳すか」といった翻訳上の問題にも多く触れるようにした。というよりも、私が翻訳する人間なのでどうしても関心がそちらに移る。これも「ま、いいんじゃないでしょうか」。