9-3

「主の祈り」(1)
PATER NOSTER QUI ES IN COELIS.
(パテル・ノステル・クィ・エス・イン・コエりース)

3.「父よ(お父さん)」とは衝撃的「出だし」

 およそ,神に向かっての「祈り」の「出だし(冒頭の言葉)」とは,どのようなものでしょうか? 「神」と個々の「私」との距離はどれだけ離れているのでしょうか?
 血のつながりで一番近いのは「親子関係」.「私」以外は「他人」であるが,他人とは言えないくらい最も近い他人が「親子」.その「父」との呼びかけ! 驚愕!
 (キリスト教世界では)有名過ぎて何気なく唱えているこの祈りだが,また普段「困った時の神頼み」くらいにしか考えず,神を(縁のない)遠い存在と思っているが,なんと「父」と呼び掛けるのです!
 イエスが「父」と呼び掛けても(それでも当時のユダヤ教徒には,自分を“神の子”とする冒涜と思えたろう)不思議ではありませんが,「私たち」にもそうせよとは! 
 しかし,その父は「天にいます」