PREFACE

 

ま え が き

 

 本書の意図は,学習者がスヴェーデンボリのラテン語の基本的な構文と基本的な語彙を、教師の助けとともに,一歩一歩と1年間で把握できるように述べることです.

 

 このことを達成するため,語形変化から語形変化へと進む伝統的な配列から離れ,最も頻繁に出てくる形から始めることにしました.この方針によって,極めて初期のうちに,最小限に変更した実際の文を導入することが可能となります.また,1年間の課程のうちに,最も頻繁に出てくる形が,最も現われることになります.会話の技術よりも読解の知識を中心とし,あるところでは伝統的な文法学習法と帰納的な学習法1の中間の方法を取りました.

 

 この学習法で前提となる基本的なものを「序論」に概説しておきました.言語学上の規則をよく知らない学習者は,この序論の内容を注意深く学んで理解しておくべきです.そうでないと,その後,各章で統語(文章構成)上の現象が出てきたとき,捕らえ所のないものに思えてしまうでしょう.

 

 私(ドール)が本書を著わそうとの衝動に駆られたのは、何年もなれ親しんだ『英訳標準版』★2の翻訳文の後に、スヴェーデンボリの神学著作中の生きいきとした単純で明快なラテン語に出会ったからでした.善かれ悪しかれ,学習者がこの明快さを認めることができるようになるには、その前に十分な量の詳細な知識を習得しなければなりません.しかし,その報いは,必要とされる努力をはるかに上回ります.なぜなら,いったん“概念伝達”の仕組みが把握できれば,その仕組みを乗り越えて,そこには心と意味の直接の出会いがあるからです.このことを共有してほしいと願っています

 

 ……3

 

1 帰納的な学習法とは,いろいろな用例から,そこに存在すると思える文法の諸規則を学ぶ方法.本来,文法とはこうした諸規則をまとめる(帰納する)ことから発生したものです.

2 スヴェーデンボリ財団から出版されている『神学著作全集』30巻のこと.

(緑色の堅表紙に製本されていることから“グリーンサーティー”の愛称が付けられています)

3 以下「協力者や出版社への謝辞」が述べてあります.

  今後こうした割愛事項・箇所は(……)で示します.