CONDITIONAL CLAUSES; PULPERFECT SUBJUNCTIVE
PLUPERFECT AND FUTURE PERFECT PASSIVE

第 22 章

条件節,接続法過去完了,
受動態の過去完了と未来完了

 ある事件や状況は別の事件や状況を条件としているように思えます.「もし(if)明日が晴れなら,庭仕事をしよう」.ここで if-節(条件節・前提節 the protasis)は主節(帰結節 the apodosis)の行動がなされる条件を述べています.条件節はおそらく副詞と見なすのが最もよいようです.それでも条件節はしばしば,主節の行為以外の他の部分を実際に限定してしまうことがあります.前述の例の条件節を換えれば,「もし雨なら,地下室を掃除しよう」とか「もし雨なら,妻が庭仕事をするだろう」とかになります.

 ラテン語で条件文の取り扱い方は英語とよく似ています.どちらの言語も条件節を導く特別な接続詞を用い,どちらも条件と帰結で特別な時制の組み合わせを用い,そしてどちらも時制と法の選択によって仮定の条件と事実を区別します.常にではありませんがしばしば,時制や法の直訳が正確な訳となります.

 条件文の基本的種類は,次のように分類されます(§274)★1

A.単純または事実
 現在:どちらの節も直接法現在.
 Si bene vivunt, aperiuntur mentes.
 (彼らが)もし善く生きるなら,心が開かれる.

 過去:どちらの節も直接法未完了か完了.
 Si bene vivebant, aperiebantur mentes.
 (彼らが)もし善く生きていたなら,心が開かれていた.
 Si bene vixerunt, apertae sunt mentes.
 (彼らが)もし善く生きたなら,心が開かれた.

B.事実に反する(仮定)
 現在:どちらの節も接続法未完了.
 Si bene viverent, aperirentur mentes.
 (彼らが)もし善く生きていたなら,心が開かれていただろう.

 過去:どちらの節も接続法過去完了.
 Si bene vixissent, apertae essent mentes.
 (彼らが)もし善く生きていたなら,心が開かれただろう.

 未来:どちらの節も接続法現在.
 Si bene vivant, aperiantur mentes.
 (彼らが)もし善く生きるなら,心が開かれるだろう.

 事実と反する条件のときの時制の転換に特に注意してください,未完了時制によって現在の時が,過去完了によって過去の時が,現在によって未来の時が表わされています.英語は帰結節でなく条件節(前提節)で似たような傾向を示します.

 否定の条件節は普通 nisi「もし……でないなら」によって導入されます.Nisi bene vivunt, mentes non aperiuntur.「もし彼らが善く生きないなら,彼らの心は開かれません」

 接続法過去完了は,完了不定法能動形(完了語幹+ -isse(§154)から
極めて簡単に作られます.その形は次のものです(p209)

1 2 3 3-i 4
単数
spectavissem vidissem duxissem cepissem scivissem
spectavisses vidisses duxisses cepisses scivisses
spectavisset vidisset duxisset cepisset scivisset
複数
spectavissemus vidissemus duxissemus cepissemus scivissemus
spectavissetis vidissetis duxissetis cepissetis scivissetis
spectavissent vidissent duxissent cepissent scivissent
                                   

 受動態の過去完了と未来完了は,受動態過去完了が sum の未完了形を用い,その一方,未来完了はその未来形を用いることを除いて,受動態完了(第10章参照)とまさに同じに作られます.接続法受動態過去完了は,予測できると思いますが, sum の接続法未完了形を用います.

語 彙 [22]

(The words introduced in the lesson, plus)
doceo, -ere, docui, doctus*1 (動)教える,知らせる teach, inform
felicitas, -tatis f.*2  (名)幸福 happiness
ibi (abv.) (副)そこに there, in that place
monstro, -are, -avi, -atus*3 (動)示す show, point out
orbis, orbis m.*4 (名)円,輪,領地 circle, ring
salus, salutis f.*5  (名)健康,安全,救済 safety, health, salvation

*1 “doctor, doctrine, document”の語源.
*2 名前“Felix”(男;幸男)“Felice ”(女;幸子)はここから命名.
*3 “demonstration ”の語源.[de+monstro]
*4 “orb, orbit”の語源.
*5 “salute”の語源.
 

練習問題  

A.訳しなさい.
 1. Quis in Christiano orbe aliquid scivisset de coelo, et de felicitate ibi, quorum scientia est quoque scientia salutis, nisi placuerit Domino aperire alicui visum spiritus ejus, ac monstrare et docere?

 2. Si sum bonus, quae vera sunt ex ipso bono possum scire, et quae non scio possum recipere. (HH 320)

C.今日学んだ形をいつものように適当する語形変化表に記入しなさい.



★1 本書はA(単純または事実)B(事実に反する)の分類としていますが,通常は 1. 論理的条件文 2. 観念的条件文 3. 非事実的条件文の分類とします(1. 2. をA.としています).