PRESENT ACTIVE PARTICIPLES; FURTHER SUPERLATIVES

第 14 章

現在(能動)分詞,最上級

 分詞は動詞的な形容詞と言ってよいかもしれません,その機能がある観点からは動詞に似ており,他の観点からは形容詞に似ているという意味です(§67) .もっと正確には,分詞は形容詞のように支配され,しかも動詞のように支配します.すなわち,分詞は形容詞のように名詞や代名詞を修飾語し,また形容詞のように実詞(第8章参照)として用いることができます.そして従属する言葉には動詞のように振る舞います.“I saw him climbing the ladder( 私ははしごを登っている彼を見た)”の文では,現在能動分詞“climbing”は“him ”を修飾する形容詞のように,また直接目的語“the ladder”を取ることで動詞のように振る舞います.

 ラテン語の他動詞には4つの分詞――現在(能動),未来(能動),完了(受動),未来(受動)★1――があります(§136,§162, p138).完了受動分詞は今のところ第10章の簡単な紹介で間に合います.未来分詞は出現することが最も少ないので,今は現在分詞に焦点を当てます.

 現在分詞は第三変化の形容詞とも比較級とも異なる第三変化をします(§67) .現在語幹に,単数主格では -ns を,その他すべての格では -nt- をつけ加えることから作られます.現在語幹は,第3-i動詞を除いて,第二主要形〔不定法〕から-re を落としたものとわかるでしょう.第3-i動詞では,-re を落とした後,-e- に代わって -ie- を用いなければなりません.こうして spectare は語幹 specta- となります,しかし caperecapie- となります.

1 2 3 3-i 4
単数 男性・女性
主格 spectans videns ducens capiens sciens
対格 spectantem videntem ducentem capientem scientem
属格 spectantis videntis ducentis capientis scientis
与格 spectanti videnti ducenti capienti scienti
奪格 spectante vidente ducente capiente sciente


単数 男性・女性
主格 spectantes videntes ducentes capientes scientes
対格 spectantes videntes ducentes capientes scientes
属格 spectantium videntium ducentium capientium scientium
与格 spectantibus videntibus ducentibus capientibus scientibus
奪格 spectantibus videntibus ducentibus capientibus scientibus

 中性は次のように単数の対格,複数の主格と対格だけが異なります―― 

単数
対格 spectans videns ducens capiens sciens
複数
主格
対格
spectantia videntia ducentia capientia scientia

 すなわち,現在能動分詞は,単数奪格が -i よりむしろ(比較級のように) -e であることを除いて,規則的な一つの語尾の第三変化形容詞のように変化します.実際,動詞的に従属するものをもたない分詞は,形容詞として扱われ,その場合,単数奪格は -i でしょう.

 形容詞として,分詞はそれが修飾する名詞または代名詞の性・数・格と一致しなければなりません.また形容詞として,実詞的にも用いられます.……★2

 動詞として,分詞は直接目的語と間接目的語を取り,また副詞的に修飾されます.
Vidi angelos leniter ducentes spiritus ad coelum.
「私は天使たちが霊たちを穏やかに天界へ導いているのを見ました」.
 それから,分詞の“現在”時制は,それが出現する文または節の主動詞によって特定される時と同じ時であることを意味することにも注意してください.それで,この例文では,天使たちは“見られた”時に“導いていた”のです.……★3

 第11章で,最上級に二つの部類の追加があることを述べましたが,それらは次のものです(§121).

 形容詞で,その男性単数主格が -er で終わるものの最上級の語尾は -errimus です.こうして,第一第二形容詞 liber(自由な)の最上級は liberissimus でなく liberrimus であり,第三変化の形容詞 acer (鋭い)の最上級は acerissimus でなく acerrimus です.そうした形容詞の比較級は規則的です.

 特別な形容詞 similes (同様の),dissimilis (異なった),facilis (容易な),difficilis (困難な),humilis (低い,卑しい,謙遜な),gracilis (やせた)もまた比較級で規則的であり,最上級は simillimusdissimillimusfacillimus,などです.語尾が -lis である他の形容詞は規則的です.例えば,moralis (道徳的な)の最上級は moralissimus です.

 civis, -is(市民)といった二,三の名詞は現在能動分詞のように変化します.civis は名詞変化表の 3-i の枠に入れられるべきです.

語 彙 [14]

civilis, civile (adj.)  (形)市民の civic, civil
habeo, habere, habui, habitum (動)持つ have
fluo, fluere, fluxi, fluxus (動)流入する flow (into)
influo, -ere, -fluxi, -fluxus *1 (動)流入する flow (into)
influxus, -us, m. (名)流入 act of flowing in, inflow, influx
transfluo, -ere, -fluxi, -fluxus (動)流れ抜ける flow through, across
moralis, -e (adj.) (形)道徳的な moral, behavioral
nempe (adv.)  (副)すなわち namely
proprius, -a, -um *2  (形)自己の belonging (to), proper (to)
quoad (prep. with acc.) (前:対格)〜に関するかぎり,〜のかぎり as to, as far as_ is concerned
solum (adv.)  (副)単に only

*1 “influence ”の語源.
  [influo=in+fluo, transfluo=trans+fluo]
*2 “proper”の語源.

練習問題

A.訳しなさい.

cujus vita moralis est spiritualis, coelum in se(=him/herself) habet, at cujus vita moralis est solum naturalis, coelum in se non habet;
causa est, quia coelum a superiore influit, et aperit interiora ejus, et per interiora influit in exteriora; mundus autem ab inferiori influit, et aperit exteriora, sed non interiora; nam influxus non datur e mundo naturali in spiritualem, sed e mumdo spirituali in naturalem. (HH 319)

C.今日学んだ形をいつものように適当する語形変化表★4に記入しなさい.



★1 
このことを表にすれば次のようになります.

能 動 受 動
現在 ○(14章) ×
完了 × ○(10章)
未来 ○(25章) ○(23章)


  未来能動分詞は本書の第25章で扱われ,また未来受動分詞は「動形容詞(Gerundive) 」の別名で本書の第23章で扱われます.
  単に“未来分詞”と言えば,未来能動分詞を指します.それで短く,現在分詞,完了分詞,未来分詞と呼び,三つの分詞がある,とする文法書(小林『楽しく学ぶラテン語』)もあります.
★2  ここに次の説明があります.
「この後者の場合,これはしばしば,英語の –er や -or を語尾とする名詞と等しくなります.名詞としての「話す者」である loquens は,容易に“the speaker ”と訳せます」
★3 ここに次の説明があります.
「英語の現在(能動)分詞も同様に振る舞うので,このことは当然のことのように思われて軽視されがちです」
★4 巻末の「語形変化表」に,このための記入欄はありません.