THE NOUN ACCUSATIVE; PREPOSITIONAL PHRASES

第 4 章

名詞:対格;前置詞句

 対格の中心的な機能は,直接に作用が加えられて問題となっている名詞を,すなわち“目標”を示すことと言えます.……

 作用は,しばしば動詞または前置詞によって伝達されます.ある名詞にある動詞による直接の作用が加えられるとき,その名詞は目的語であると言われ,対格をとります――Angelus vidit spiritum「天使は霊を見た」.見られるもの(spiritum)が動詞 vidit の目的語です.

 おもにその意味によりますが,すべての動詞が目的語を取ることができるのではありません.取ることのできるものは他動詞,取ることのできないものは自動詞と呼ばれます.後者の例に,「笑う・震える・来る」があります.さらに,目的語を取ることのできる動詞ですら,ときには自動詞のように用いられます.「あなたはこの文を読んでいる」と「あなたは注意深く読んでいる」を比べてみてください.

 前置詞は,接続詞の下位分類と見なすのが最善でしょう.その主要な役目は関係を示すことです.前置詞が物質的な位置や運動を示すときその意味は非常に明らかですが,しかしきまって非物質的な性質に属する関係を示すことに使われます.後者の場合,その意味は,しばしばわかりにくく気まぐれです.例えば,英語では,私たちはある人のことを“in”love(恋に落ちて),“on”time(時間どおりに),“out of”sorts(いい加減な)などと言います.そうした意味を組織的に探索するために備えられた本格的なレキシコン(第20章参照)は,非常に貴重なものです.英語は“instead of”“for the sake of ”といったような複合前置詞を数多く持つことに注意してください.それらはラテン語では一つの単語と等しくなりそうです.

 統語上,句は前置詞に名詞(それともし必要なら修飾語)を加えたものから構成され,文中で身元確認の機能を果たすはずです.この機能は連体詞的(形容詞的)でも副詞的でもあります.一つの語では――名詞は名詞のままに,そして前置詞は接続詞のままにとどまってしまい――この機能を果たしません.Homo ex mundo venit in coelum「この世の人間が天界にやって来た」という文には二つの前置詞句があります.最初のex mundo「この世から」は,homo「人間」を修飾しており,形容詞的です.第二の in coelum「天界へ」は,venit「来た」を修飾しており,副詞的です.与えられた前置詞句の用法は文中の位置で示唆されるかもしれませんが,しかしそれは意味関係を正確に分析することによってのみ決定できることです.句が形容詞的か副詞的かについて形の上での違いはありません.

 前置詞は変化も活用もしません.それらの別形は単に音声上の理由によるものであり,それが出てきたときに注意することにします.どの前置詞もそれが支配する名詞の格は決まっています,それで語彙の中に〔支配する〕格は記され,記憶されるべきです(§41以降) .

 前置詞的な要素のさらに主要な用途は,合成語★1文法の形成です.spondeo は「約束する」(直訳:私は約束する)を意味し,respondeo (約束し返す)は「応答する」を意味し,correspondeo(cor- < con- ここでは,よくあることですが,完全を示します)は「完全に答える,完全に応答する,対応する」を意味します。

 接頭辞としての要素の最後の子音は,しばしばそれが付着する語の最初の子音に同化します,con が respondeo の r の前で cor になるようにです.同化の法則は,厳密に音声上の問題です.ad が c で始まる語の前で ac となること,また capio が接頭辞のあとで -cipio となることを知るとき,あなたがたは今日の学習と語彙によって,第3章の capio の合成語の理論的根拠について理解する十分な情報を持ったはずです.このことからあなたがたは元気がわきましたか?

 これらのことはすべて,語彙を学ぶ上で大きな助けとなりえます,そして新しく出てくる語彙はどこかの“群れ(クラスター)”のメンバーとされます.学習者はこのことに特に注意を払うべきです,スヴェーデンボリはこうした複合語を,それらの構成要素の意味に気付いて,使っていた証拠があるからです.

 この課で習うべき形は次のものです.

1 2男 2中 3男女 3中 4 5
単数対格 vitam angelum verbum amorem opus spiritum faciem
複数対格 vitas angelos verba amores opera spiritus facies

 ……すべての中性対格はそれぞれの主格と同一であることに注意してください.これはすべての中性形の特徴です.


語 彙 [4]

ad (prep. with acc.)*1 (前)〜へ・〜に向かって to, toward
ante (prep. with acc.)*2 (前)〜の前に before, in front of
homo, hominis (m.) (名)人間(physical) person, humanity in general
per (prep. with acc.) *3  (前)〜によって,〜を通って through, by means of
propter (prep. with acc.) (前)〜のために on account of, for the sake of
venio, venire, veni, ventus (動)来る come
advenio, advenire, adveni, adventus (動)着く reach, arrive
adventus, adventus (m.) *4  (名)到着 arrival, coming, advent
Adventus, Adventus (m.) (名)降臨(主の到着)the Advent
convenio, -venire, -veni, -ventus *5 (動)出会う,集まる meet, gather
evenio, evenire, eveni, eventus (動)起こる happen, occur
eventus, eventus (m.) *6 (名)出来事 outcome, event, happening

*1 “ad”は合成語を形成するとき,ab-, ac-, af-, ag-, al-, ap-, ar-, as-, at-, a- の形をとる.
*2 “a.m.”(午前)は ante meridirm の略.
*3 “per”の語源.
*4 “advent, adventure”の語源.
*5 “convene, convention”の語源.
*6 “event”の語源.
  なお:advenio=ad+venio, convenio=com(=cum)+venio evenio=e+venio


練習問題

A.訳しなさい.
1. Dominus vitae venit ad hominem.  2. Homo per corpus videt.
3. Percepit potentiam fidei.  4. Spectabit faciem angelorum.
5. Amor apparebat per facies. 6. Angelus scit verba charitatis.
7. Recipiat homo amorem. 8. Potentia amoris per fidem claudit inferna.
9. Intellexit verba spirituum. 10. Dominus creavit corpora hominum.
11. Ante Dominum advenit homo. 12. Angelus venit propter amorem.
13. Per angelos veniebat ad homines charitas. 14. Adventus Domini propter fidem.
15. Videbit faciem fidei. 16. Faciem fidei videbit.
17. Adventus evenit. 18. Percepit angelus verba amoris.
19. Dominus propter Verbum venit ad hominem. 20. Accipiat infernum Dominum!

D.記憶とペンで 今日学んだ形を適当する語形変化表に記入しなさい.
 それからチェックし,必要な訂正をしなさい.



★1 【文法】a compound word, 複合語とも言います.続く本文中の例を,また第13章の語彙(73ページ)を参照.
なお,大西『はじめてのラテン語』147 ページの“合成語について”は大いに参考となります.