THE VERB : THIRD PERSON SINGLAR ACTIVE
第 3 章
動詞:能動態三人称単数
動詞は,時間の中での特殊な位置における過程または状態のカテゴリー(範疇)を示すものといってよいでしょう.
ラテン語のどの動詞も,1つの不変のものである活用★1文法と5つの変化するものである人称,数,時制,態★2,法を持ちます.活用には第1変化,第2変化,第3変化,第3-i幹変化,第4変化の5つがあります.3つの人称と2種類の数,単数と複数があり,6つの時制,現在,未完了過去,未来,完了,過去完了,未来完了,2つの態,能動と受動,3つの法,直接,接続,命令があります.動詞に密接に関連するものとして不定詞★3,分詞,動名詞,動形容詞があり,これらについては後で詳細に論じます.特別な形の動詞を解剖する★4文法とは,その活用形,人称,数,時制,態,法の名前を上げることです.動詞を活用させるとは,そのすべての形を与えることです.
動詞の人称と数は,その主語となるべき代名詞の代役を果たすと考えてよいでしょう.一人称は話者であり,“私”または“私たち”です.二人称は直接に話しかける対象となる“あなた”“あなたがた”です.三人称は“彼”“彼女”“それ”“彼ら,彼女ら,それら”他のものすべてです.ラテン語では代名詞の主語が動詞に含まれるので,主語の代名詞そのものはほとんど用いられません.それで videbant は,そこに“彼ら”という分離した別の語がなくても,“彼らは(習慣的に)見た”ことを意味します.動詞の形から,性は区別されないことに注意してください.単数と複数の違いについては,英語とほとんど同じですが,英語ではしない二人称の単数と複数の区別をラテン語ではします.
ラテン語の現在時制は,ほぼ英語の単純現在または習慣的現在に対応しています.強調の現在も表わします,これは副詞的に示されるかもしれません.しかし,英語では,知っていることを述べる動詞,それと“ be 動詞”でも,単純現在形をほとんど用いないことに注意してください.すなわち,「私はあなたを理解しています」には“I am seeing you”よりむしろ“I see you”,「私は疲れています」には“I am being tired”よりも“I am tired”と言います.それでも,同じく現在の行動を表現する「私はここに座る」には“I sit here”よりもむしろ“I am sitting here”と言います.
未完了過去は,過去に継続し,繰り返されていた,または習慣的であった行動を表わします.これはある一つの過去の事件を示す完了と対比されます(§45) .「私は注意深く運転していたが,穴に落ちてしまった」という文を〔ラテン語に〕翻訳するには,「運転していた」(継続していた動作と受け取れます)には“未完了過去”を「落ちた」(一つの事件と認められます)には“完了”を用います.「昨日,私は仕事に打ち込んでいた.そして仕事中に……」――このように同じ行動の事件がこの両方に見ることができることを知っておくべきです★5.
未来時制の最も普通の用法は,将来の出来事や状態を述べることです.けれども,スヴェーデンボリは起こるべき★6事柄を示すためにも用いています(§66) .例えば,Purinum erit scire quis Deus Coeli est(『天界と地獄』2 )――「最初に,天界の神とは誰であるか知るべきです(直訳は“〜でしょう”)」.
過去完了と未来完了は第18章で論じます.
能動態は,主語が存在しているか活動していることを表わします,受動態は主語が働きかけられていることを表わします.しばしば受動態は,英語では著者の自称(editorial we)である「われわれ」として,また非人称構文(§217)でも用いられます――例えば,in sequentibus dicetur「次のことが述べられるでしょう」=「われわれは」以下のことを述べましょう.また,dicitur apud Davidem「ダビデ〔の詩篇〕に述べられています」.
直接法は,事実を述べたり,それを質問したりするために用いられます.不確実性を暗示するように思える接続法は,願望や可能性を表わすのに用いられます.主節の動詞に接続法が現われたときは,通常,願望として訳すのが最善です(§244)――sciatur =それを知ってもらいたい.接続法は主節よりも従属節ではるかによく使われ,普通その翻訳は英語の特質に依存します.命令法は直接の命令を表わし,これは第24章で示します.
この課で学ぶべき形は次のものであり,すべては三人称単数能動態です.
| 1 | 2 | 3 | 3-i | 4 | |
|---|---|---|---|---|---|
| (specto) | (video) | (duco) | (capio) | (scio) | |
| 現在・直接法 | spectat | videt | ducit | capit | scit |
| 現在・接続法 | spectet | videat | ducat | capiat | sciat |
| 未完・直接法 | spectabat | videbat | ducebat | capiebat | sciebat |
| 未完・接続法 | spectaret | videret | duceret | caperet | sciret |
| 未来 | spectabit | videbit | ducet | capiet | sciet |
| 完了 | spectavit | vidit | duxit | cepit | scivit |
名詞の他の形を導くためには名詞の主格と属格それと性を知る必要があるように,動詞を完全に活用させるためにはそれぞれの動詞について四つの基本形を知らなければなりません,それらは主要形★7文法として知られており,(T)一人称単数現在能動態直接法,(U)現在能動態不定法★3,(V)一人称単数完了能動態直接法,(W)完了(受動)分詞★8です.ここで紹介した5つの動詞の形は次のものです★9――
(1) specto, spectare, spectavi, spectatus (眺める)
(2) video, videre, vidi, visus (見る)
(3) duco, ducere, dixi, ductus (導く)
(3-i) capio, capere, cepi, captus (把握する)
(4) scio, scire, scivi, scitus (知る)
第一変化動詞の主要形は完全に予言できます――語幹に -o,-are,-avi,-atus ★8を加えます.他の変化動詞では,最初の二つの形の間の関係は規則的ですが,しかし他の二つはそうではないので,それぞれ学んだ動詞について記憶する必要があります.精通すれば,頻発するパターンに対し,役に立つ感覚が得られますが,しかし絶対的に決定できるようにはなりません.
前に示した三人称の形と主要形を比較する時間を取ってください.未完了接続法は不定法(U)から,完了形は一人称単数完了能動態直接法(V)から作られていることに注目してください.残りは一人称単数現在能動態直接法(T)から形成されます.名詞は完了受動分詞(W)から導かれます.この形(W)はあとで必要になるので,それぞれの動詞を学んだときに暗記するのが最善です.
最もしばしば混乱を起こす形は,他の何よりもまず,未来形と接続法の活用です.それで,それらには特別な注意を払わなくてはなりません.
語 彙 [3]
| aperio, aperire,aperui, apertus | 開ける open |
| appareo, apparere, apparui, apparitus *1 | 現われる be visible, seem |
| capio, capere,cepi, captus*2 | 捕らえる grasp |
| accipio, accipere, accepi, acceptus *3 | 受け取る receive, accept |
| percipio, percipere, percepi, perceptus *4 | 知覚する grasp, perceive |
| recipio, recipere, recepi, receptus *5 | 受け入れる accept, receive |
| claudo, claudere, clausi, clausus *6 | 閉じる close, shut off |
| creo, creare, creavi, creatus *7 | 創造する create |
| duco, ducere, duxi, ductus*8 | 導く lead |
| intelligo, intelligere, intellexi, intellectus*9 | 理解する discern, understand |
| scio, scire, scivi, scitus*10 | 知る know |
| specto, spectare, spectavi, spectatus *11 | 見る,眺める look at, watch |
| video, videre, vidi, visus*12 | 見る see |
| infernum, -i (n.) | (名)地獄 hell |
| potentia, -ae (f.)*13 | (名)力 power |
| ((名)以外はすべて動詞です) |
*1 “appear”の語源.[ad+pareo]
*2 “capture”の語源.
*3 “accept”の語源.[ad+capio]
*4 “perceive”の語源.[per+capio]
*5 “receive, reception”の語源.[re+capio]
*6 “close”の語源.
*7 “create”の語源.
*8 “duct”の語源.
*9 “intelligence”(インテリ)の語源.[inter+lego]
*10 この名詞 scientia が“science”の語源.
*11 “spectacle”(光景・壮観)の語源.
*12 いわゆる“ヴィデオ”の語源.
*13 “potential”の語源.
練習問題
A.訳しなさい.
1. Apparuit facies angeli.
2. Dominus scit.
3. Intelligat spiritus Domini.
4. Potentia charitatis angelorum.
5. Infernum spectabat.
6. Dominus aperit; apparet angelus.
7. Fides videbit.
8. Clausit.
9. Amor sciet.
10. Intellexit.
11. Angelus percipiet.
12. Infernum clausit.
13. Potentia Domini creavit.
14. Fides percipiat.
15. Amor percipiet.
16. Corpus inferni apparebit.
17. Videbat Dominus.
18. Spectabat Dominus.
19. Angelus intelligat.
20. Verba angelorum.
D.記憶とペンで 今日学んだ形を適当する語形変化表に記入しなさい.
それからチェックし,必要な訂正をしなさい.
注
★1 【文法】conjugation ,語形変化,活用(人称・数・時制・態・法による屈折).
★2 “態”ではなく“相”とする文法もあります.
★3 小林『楽しく学ぶラテン語』では“不定法”としています(第31課),
すなわち“法”の数は直接法,接続法,命令法,不定法の4つ.本書でも今後“不定法”とします.
★4 【文法】parse, 文・語句の品詞および文法的関係を説明する(こと).
★5 すなわち,「仕事をする」ことが一つの事件でもあるし,継続していた事柄でもある,と見なされること.
★6 英文では“must”.この語は「現在または未来の必要・義務・命令」「当然の推量」を表わします.
訳せば「〜ねばならない」「〜に違いない」となり,ここでは「〜知らなくてはなりません」.
★7 【文法】principal parts,(動詞活用の)主要形(英語の動詞では不定詞・過去形・過去分詞).
★8 通常はスピーヌム(spinum)とも呼ばれる目的分詞です.
具体的には-tus の代わりに -tum とします.ここは『小林』94ページ「動詞の四基本形」が参考になります.
★9 この5種類の活用変化の動詞は2番目の“不定法”で分類します.
すなわち,(1)a(アー) (2)e(エー) (3)e(エ) (4)i(イー)